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第三に出現したのは中国辺へんの田舎いなかである。ここの気風はさほどに猛烈な現金主義ではなかった。ただ土着のものがむやみに幅を利きかして、他県のものを外国人と呼ぶ。外国人と呼ぶだけならそれまでであるが、いろいろに手を廻まわしてこの外国人を征服しようとする。宴会があれば宴会でひやかす。演説があれば演説であてこする。それから新聞で厭味いやみを並べる。生徒にからかわせる。そうしてそれが何のためでもない。ただ他県のものが自分と同化せぬのが気に懸かかるからである。同化は社会の要素に違ない。仏蘭西フランスのタルドと云う学者は社会は模倣なりとさえ云うたくらいだ。同化は大切かも知れぬ。その大切さ加減は道也といえども心得ている。心得ているどころではない、高等な教育を受けて、広義な社会観を有している彼は、凡俗以上に同化の功徳くどくを認めている。ただ高いものに同化するか低いものに同化するかが問題である。この問題を解釈しないでいたずらに同化するのは世のためにならぬ。自分から云えば一分いちぶんが立たぬ。
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