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保が学校に往って見ると、二つの急を要する問題が前に横よこたわっていた。教則を作ることと罰則を作ることとである。教則は案を具して文部省に呈し、その認可を受けなくてはならない。罰則は学校長が自ら作り自ら施すことを得るのである。教則の案は直ちに作って呈し、罰則は不文律となして、生徒に自力の徳教を誨おしえた。教則は文部省が輒たやすく認可せぬので、往復数十回を累かさね、とうとう保の在職中には制定せられずにしまった。罰則は果して必要でなかった。一人いちにんの※違者かいいしゃ[#「言+圭」、U+8A7F、295-5]をも出いださなかったからである。
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