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彼はまずこう口を切った。前の年の暮に彼は婿の話しが定った、先方は江戸邸の者で、五石三人扶持ぶちくらいの徒士かちだという。それもいいが話しの纏まとめかたが乱暴で投げやりで、下僕たちまでが「厄介ばらいだ」などと蔭口をきいていた。そして正月になるとすぐ、若干の金を呉れ、殆んど着のみ着のままで、江戸邸のこれこれという者を訪ねてゆくようにと、命令するように云われたのであった。
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